色彩効果で好みのバスルームに

色彩効果で好みのバスルームに。

ユニットバスの壁やバスタブの色を選ぶ時、
たいていの方は
自分の好みの色を選んでいるかと思います。

もちろん自分の家の浴室、浴槽ですから
それは間違いなく正しい選択方法のはずです。

けれど、もう少し色の効果を知っていれば
浴槽は別の色を選んだのにとか、

カウンターの色選びに苦労したけれど
色の印象をもっと考えていれば
違う色にしたのにという方も
いらっしゃることでしょう。

あるいは、色は二の次で
リラックスできるバスルームにしたかったから

それらしい色を選んだ方、
あなたの浴室は本当にリラックスできる
色になっているのでしょうか。

色にはそれぞれの特長があり、
人の気持ちまでも変えてしまう力があります。

好みの色にこだわり続けたばかりに
実は毎日モヤモヤしていたなんてことも
起こり得るのが色選びなのです。

たとえば赤が好きだからといって
バスルームすべてを真っ赤にしてしまったら
とても落ち着ける場所ではなくなります。

けれど、そのお風呂に朝入ったら、
通勤途上からすでに活力あふれる
一日が始まるのではないでしょうか。

色の力を借りて
新たなライフスタイルを構築することも
夢ではありません。

それではバスルームの色を考察したいと思います。

「白」

白は日本人の好きな色のひとつです。
たとえば車の色は、白、黒の順番に多いそうです。
また、白Tシャツ、白のスニーカーに代表されるように
清潔感を象徴する色でもあります。

白いバスルームは広く見える上、
清潔な印象を受けます。
湯気が似合う感じも受けます。

ただ、白さのせいで、黒い汚れが目立ちます。
毛髪はもちろん、黒ずみ、カビなどは
かなりはっきりと見えてしまいます。

白さの特長を維持するためには
掃除が大切になります。

「黒」

黒は浴室に使うと、
とても際だつ色になります。
したがって狭い浴室を
黒でまとめると圧迫感すら
覚えるかもしれません。

ただ、厳かな場面での黒い衣装のように
心落ち着かせる色でもあります。

黒い車はよく売れるそうですが、
車体の汚れ目立つようです。

バスルームの場合、
石けんなどを置いた場所が
白っぽくなってしまうことがあります。

また、バスタブを黒にした場合、
水垢などが白く残るため、
こまめな清掃が必要になります。

それにお湯の透明感が感じられなかったり
入浴剤を使っても
きれいな色に見えなかったりします。

湯船の縁の高さが見極め辛くなるため
高齢者にとっても不向きかも知れません。

「ビビッドカラー」

赤、青、黄の色の三原色と
心理学的原色といわれる緑は
強い色で、
受け止めることができれば
活力の源になる色です。

その一方で
疲れている時などは
色がうるさく感じられ、
リラックスすることができません。

また、強烈な色彩の刺激になれてしまえば
飽きるのも早い色でもあります。

バスルームの役割を考えた場合、
他の色と組み合わせて使うか
ワンポイントにとどめる方が無難です。

「パステルカラー」

バスルームという、ある意味で
非日常空間に似合う色です。
優しさを感じる彩度
（ビビッドカラーほど鮮やかでない）
のため、
全体に使っても問題ありません。

白系の色なので
カビや黒ずみは目立ちます。
そんな汚れは
せっかくのパステルの優しさを
台無しにしてしまいますので
こまめな掃除が必要です。

「色の組み合わせ」

ホッとするような色合いにするのであれば
薄いサーモンピンクや薄い黄色をメインとして
少しだけ強い茶色などをアクセントとします。
たとえば全体が薄い黄色で、
視野に入る全面の壁だけを茶系にするといった感じです。
アクセントの茶色は多すぎても
暗い雰囲気になりますし、
また、色によっては
全体をくすんだイメージにしてしまうため
慎重に選ばなくてはなりません。

穏やかな感じにするのであれば
薄い緑や薄い黄緑を使います。
それだけで十分ですが
アクセントを使うなら
くすんだ緑やくすんだ紺で
落ち着いた調子のまままとめます。

かわいらしくするのであれば
薄いピンク、薄い水色、
薄い黄色を組み合わせます。
バスタブと浴室という具合に
2色で色分けするので十分ですが
色を増やせば子どもっぽい感じになります。

ゴージャスな感じにするのであれば
ワインレッドに紫などの組み合わせは
いかがでしょうか。
受ける印象や掃除のしかたは
「黒」の浴室を参考にします。

「まとめ」

浴室はリラックスする場所ととらえれば
どうしても暖色系の色になります。
寒色系は薄い色で白に近くしたり
濃くして黒の仲間のように使うのが
多いようです。

また、実際の見え方は素材の種類、
地の模様、照明の種類によっても
変わってくるため
実際に見るか、
少なくともシミュレーションは
してみなければなりません。

色を選ぶことによって
納得のいくバスルームに仕上がるのであれば
これは値段以上の満足が
手に入ったことになります。

もちろん汚れの付き方や
掃除のしやすさなども
考慮しなくてはなりません。

これから家を建てられる方、
マンションをお考えの方、
リフォームを検討中の方、
とりあえず一度
自分の好みから離れて考えてみませんか。